Ac-06. つづらふじ










Ac-06.
つづら・葛

ツヅラフジ・アオツヅラフジ

漢語 漢防已。木防已

:
集の木防己はサネカズラを推す

【万葉集記載】

13-3288
さねかずら

14-3359,はまつづら

14-3434,あそやまつづ

13-3280さなかづら

13-3288

或る本の歌に曰く

大船之 思馮而 木防己
弥遠長 我念有 君尓依而者 言之故毛 無有欲得 木綿手次
肩荷取懸 忌戸乎 斉穿居 玄黄之 神祇ニ衣吾祈
甚毛為便無見

大船の
思ひたのみて さな蔓 いや遠長く わが思へる
君によりては 言のゆゑも 無区ありこそと木綿襷ユフタスキ
肩に取り懸け 齋瓮イワイベを 齋イワひ掘り据ゑ
天地の 神祇にそえあが祈む 甚イタも為方無む 

概説

この歌の木防己の解が問題になる処であって、多くの解説書では「さなかずら」を採っており、「つづらふじ」を採っている事例は少ない。

これは、和名類聚抄(931~938)に五味佐祢葛、新撰字経(898~901)に木防己佐奈蔓
と古文にあって、千年も昔から 防己
と佐名葛との識別を混同する素地があったのである。即ち大伴家持
(~785)が編集し保管していた万葉集の原本は、源順(911~983)等が万葉仮名の書換を行なった際に亡失してしまったので、原本は残っておらず、いづれが真か判断の仕様がない。源順が編纂した和名抄に佐奈葛の呼び名が導入された為に防己=五味=佐祢葛の混乱が生じたらしい。そもそも、防己は漢方薬に供されるのであるが、それにも木防己・漢防己など原植物は数種あり、贋物があったりして、正確に指摘できない。サナカズラはAc-05に詳述したので、本項では防己の原植色であるアオツズラフジ・オオツヅラフジを取り上げ説明する。

一般に、蔓性の植物を××ツヅラ・××カズラ・××フジなどと呼んでいるが、長く紐状の樹枝がツラ()であり、髪に関したのをカツラ、包縛に関したのがツヅラである。蔓は物を束ねて縛ったり、家畜が逃げない様に繫いだりするのに用立て、これを編んで籠にして葛籠ツヅラ・葛籠裏ツヅラコリと云う便利なものがあった。ヤナギの軟枝を材とするものは柳行李など、軽いわりに強度があり、通気性があるので、箙エビラ、帽子、笠、弁当箱、衣装箱など広く応用された。細工するとき若い撓みのある青い蔓を用いるが、月日が経ると黒く変色する、これを黒葛と言っている。襲カサネの色目に、「つづら」と云うのがあって、表は青黒色、裏は淡青色の落ち着いた感触である。

ツヅラを単独で呼ぶ植物は無いのであるが、<大言海>では次の3植物をあげている。

(a)
ツヅラフジ科のつる性落葉低木。根を漢防己としてリユーマチ・利尿に煎じ服する。

<俳諧
犬子集
(1673)>
夏山の道やふでするつづら藤

(b)
かみえびの異名

<重訂本草綱目啓蒙(1847)4下>
蔓草(防己)あをかずら
予州あおつづら、つづらづら、てんちんかずら

(c)
つるふじばかまの異名

<物品識名(1809)>
つるふじばかま、れんりそう
山良黎豆

世のしがらみの諸々を譬えて葛藤カットウとは葛と藤の巻茎の絡み合って伸びる様をいうのであり、昔はクズとフジの巻弦を、其の儘または剥いで皮を綱の代わりに用いたものである。修験者道を登山すると、往々断崖にこの皮を使った吊橋があるが、案外強いものであると知っていても、やはり心持のよいわけが無い。昔の人は自然のものを上手に利用した。オオツズラフジ・アオツズラフジの蔓を以って葛籠を編んだので、葛籠ツヅラコをもツヅラという。この葛籠が解けた綾緯は曲がった折目のついた形となる。故に登山道などのクネクネ曲がった道をつづら折りと云い、また、昔はこの長い蔓で以って髪を整えたので、鬘を整えたり縛ったりする紐状のものをカズラと言った。また、長い茎で以って、太刀・槍などの束に巻き、或いは芸術性のある籠物編容器を作った。

<山家集
>

つつら這ふはやまは下もしげければ
住む人如何にこぐるかるらん

<古事記>

やつめさす
出雲建が佩ける太刀 黒葛多纏。
{都豆良佐波麻岐}サハマさ身なくにあわれ

<日本書紀
5
崇神
>

や雲立つ
出雲梟帥が佩ける太刀黒葛多巻
あはれ 

<古今和歌集(905~914)4-702
>

梓弓ひきのつつらすゑつひに
わがおもふ人に
ことのしげける

古来日本の国は、植物が繁茂する場所であったから、多句の各種つづらが生えていたことであろう。

<播磨風土記(穴禾郡)>

御方の里・・大内川・小内川・・その山には柂・杉・黒蔓ツヅラ・・生える。

<出雲風土記(意宇郡)>

栲衾新羅紀の三崎を・・三身の綱うち挂けて、霜黒葛くるくるやに河船のそろもそろに
国来国来し引き来縫へる国は、去豆の折絶えより、八穂爾支豆支の三崎也。

<筑前逸文>

おかの水門
志波の嶋 二つの島はともに烏蔓ツヅラと冬富ハジカミを産す。

つづらふじ防己とは、オオツヅラフジ(漢防己)、アオツヅラフジ(木防己)、コウモリカズラ
(唐種漢防己)などのツヅラフジ科の植物の根茎や漿果を、ハスノハカズラ・コウモリカズラなど多少混同はあるが、これらをツヅラと称して薬用に供した。

<本草和名
9
草>

防己
一名解離、一名石解、 木防己 一名解名、一名解燕、一名方、和名阿乎迦都良

<倭名類聚抄
20
葛>

防己 本草云、防己一名解離
和名阿乎迦豆良

<箋註倭名類聚抄
10
葛>

本草云、文作車輻理解者、蘇云、防己本出漢中者、作車輻、黄実而
香図経、茎梗甚嫩、苗葉小類牽牛、折其茎、吹之、気従中貫、如木通類、陳蔵器云、作藤著木生

<日本釈名

>

ツヅラ
つづくかづらなり、くとかづとを略す、長くつづくかづらなり。

<和名栞


>

あおかづら
和名抄に防己を訓ぜり。青葛の義、延喜式に防己をあをつゞらと点是也。万葉集にあおつづらこにあとりの入りてといへり、今つづらふじといふ是也、つたのはかずらといふは防己の一種。はすのはかずらといふは漢防己也。かうもりかずらは木防己也といへり。

<和漢三才図会96
蔓草 >

防己 解離、石解、和名阿乎迦豆良

按有漢木二品、而今自中華渡者皆長六七寸、切大者径寸許、黄色帯赤、破之文作車輻解、而甚香、所謂漢防己也、而別木防己者不来、倭之産長七八寸切、大小如木通茎而青白色、皮皺不香、所謂木防己是也、ニ物共苗茎而非根也明焉、今薬肆以唐為漢防己、以倭唯称防己、芸州広島為上、丹波之産短細為下、蓋本草必読所図之瓜防己者未

<重修本草綱目啓蒙
15
蔓草 >

防己
アオカズラ、アヲツヅラ、ツヅラフジ、チンチンカズラ、ピンピンカズラメシブシカズラ、ヤブカラシ、ヤマカカシ、ハクサカヅラ、ムマンオメ、一名載君行、

  山野に甚だ多く藤蔓至って長し、形女青ヘクソカズラに似て厚く短毛有り、其形状一ならず。円尖る者楕尖なる者、両岐深して牽牛葉の如き者、長葉の物、苦蕎麦ミゾソバ葉の如き者、凡そ数十種あり、三四月新葉の間に小花群り生じ、菝契花サルトリイバラの花の如、後円実を結ぶ、大さ三分許、秋に至り熟すれば黒色にて淡青粉あり、内に一子あり、薬舗に藤蔓を採り売る。其の車輻解キクザ細也。根も亦同じ、是木防己なり、一種オオツヅラフジと呼ぶ有り、一名ツタノハカヅラ、フソナ、メクラグドウ、深山中に多し、葉互生し形亦一ならず、円にして岐あらざるは或は長葉なる者、或は三五尖なる者有り、皆一藤中にて数様に変ず。其根太くして所々に塊あり、車輻解あらし。是漢防己也、木防己漢防己の分別の説一ならず。地を以って分つ説あり、陳蔵器は根苗を以て分ち、漢木ニ防己は即是根苗為レ名と云う、本草蒙筅本草溷本経逢原、並に漢防己は是根、木防己は是苗と云、此の説に従を優れりとす、其苗を用ゆるには、ツヅラフジを上とす。根を用ひるにはオオツヅラフジを上とす、本草原始に図するところの条坊己是なり。舶来の防己根は塊をなして小瓜の如、闊佐一寸余、長さ二三寸、白色、これを切れば其肌密にして輻解明かならず、本草彙言、本草原始

植物

ツヅラフジ科Menispermaceae

蔓性の草本稀に直立低木、花は小さく両性花を総状に付く。3or2基数で2輪生。花弁は不発達で蕚より小さいか或いは欠如する。雄蕊は合一することがある。心皮は3or1で離生。実は核果で、1つの胚珠がある。主に熱帯に約70ca400種、日本に713

アオツヅラフジ属

Cocculus

アオツヅラフジ、イソヤマアオキ、

オオツヅラフジ属

Sinomenium

ツヅラフジ

コウモリカズラ属

Menispermum

ケナシコウモリカズラ、コウモリカズラ

ハスノハカズラ属

Stephania

ハスノハカズラ、シマハスノハカヅラ、タマゼキツズラフジ、コウトウtsヅラフジ

ミヤコジマツヅラフジ属

Cissampelos

ミヤコジマツヅラフジ、フジザキツヅラフジ゙

ホウライツヅラフジ属

Percampylus

ホウライツズラフジ

アオツヅラフジ属
Cocculus

常緑or落葉の蔓性まれに直立性。 葉は互生、全縁また裂片状、 雌雄異株、 花は腋生希に頂生穂状花序で不著明。
世界
(アジア・アメリカ・アフリカ)に約12

学名はギリシャ語Kokkos(漿果)

アオツヅラフジCocculus
trilobus DC.. ( C.Thunbergii DC., C.orbiculatus Schneid.,
Cebatha orbiculata O.Kuntze.. Menispermum trilobum Thunb..)

カミエビ、ツヅラ、アオカズラ、ウドカヅラ、ヒョウタンカヅラ、ツヅラフジ、アオツヅラ、シジラフジ、ツヅラカヅラ、チンチンカズラ、ピンピンカヅラ、カネトヅル、メシブシカヅラ、トヅル、ヤブカラシ、ヤマカシ、ウマノメ、ハクサカヅラ、

木防己、防己、青葛、解離、青藤子、青木香

本州・四国・九州の低山地・原野に普通に生える。落葉蔓本、全株殊に枝と葉柄に短毛あり、蔓は細く緑色。葉は厚紙質、卵形・心形、三浅裂、全縁、両面軟毛あり、大きさ長5~8cm,。花は初夏咲く。淡又濃緑小花、果実は漿果状核果、腋生、球形、青緑~黒色果面に白粉を帯びる。径5~8mm,種子はヒズメ形、背に小突起、横皺有り。

この根部を木香モッコウ(青木香)と称し、風水の治療薬である。

補注 

1.
葉の形は種々ある。早春に出たものは浅い三裂形であるが、夏でたものは円形である。これは日光に当たる面の関係するらしい。

2.
葉の形は変化に富み、裏面は軟毛が密生し、白色に見える。

3.
花は3枚に蕚が大きく、花弁は6枚で先端が少し窪んだ紐状で輪生する。

4.
雄花の雄蕊は心皮が2~3枚離生する。葯は動かない近似種 

近似種
イソヤマアヲキ
Cocculus
laurifolius D,C (
コウシュウウヤク、オスズバ・衡州烏薬・御鈴薬)

古典

<和漢三才図会>

本綱防己は茎葛の如く蔓延し其根外は白く、内は黄色にして桔梗の如く、内に黒き紋有り、車輻解射の如きはよし、但し漢中に出つるものは之を破りて文車輻解をなす、黄実にして香ばし、茎梗甚嫩にして苗葉小にして牽牛に類す。其茎を折りて一頭これを吹けば気中より貫きて木通の如く然り、他処のものは青白虚軟、又腥気あり、皮皺の上に下足子あり、木防己となずく。

按ずるに防己潅木二品あり、今中華より渡る所の者は皆長さ六七寸に切る大成るもの径寸許、黄色に赤を帯び、これを破れば文車輻解を為す、甚だ香し、所謂漢防己なり、しかも別に木防己といふ者は来らず、倭の産は長さ七八寸に切り大小木通の茎の如くにして青白色皮皺香せず、所謂木防己これなり、ニ物共に苗茎にして根に非るや明けし、今薬肆に唐を以って唯防己と称す。芸州広島を上と為す、丹波の産を短細下とす。蓋し本草必読に図する所の瓜防己は未だ勘へず。

<本草図譜>

アヲカズラ、藤蔓緑色、四時ともにあり、葉は鉤藤に似て狭く水蝋樹の葉に似て厚硬、深緑色光沢あり、春花あり、淡黄色実碧なり、落たる葉の本に両岐ある逆刺を生ず、物に掛ること鉤藤の如し。

<百品考>

青藤和名アヲカヅラ、広東新語、有青藤仔、葉長三四寸、多芒刺、茎大如指、而堅靭、人日用之、比北地之用柳条花名仮素馨、煎湯以洗瘡良、肥後に自生有り、長三四寸、巾七八分春未だ葉の生せざる前に花あり、五弁の小黄花色、素馨花に似て至て小なり、大さ三分許花後円実を結ぶ熟して青碧色、小葉の麦門冬の実の如し、冬月葉落、蔓は山藤の如く、堅靭にして用をなすべきものなり。

オオツヅラフジ属
Sinomenium

落葉の蔓性。葉は互生、雌雄異株、花は腋生or頂生、不著明。果は核果、青黒色。

東アジアに1種あるのみ。学名はsino(支那)men()の合字

オオツヅラフジ
Sinomenium
diversifolium Diels
S.acutum
Rehd.et Wils.
Mnispermum acutum
Thunb.,
Cocculus diversifolius

Miq..,
C.
heterophyllus
Hemsl.et
Wils.,
, C.
ariifolius
Hort.,.Cebatha
Miqueliana O.Kuntze
.

オオツヅラ、ナガエノアオツヅラフジ、ツタノハカヅラ、ツヅラ、アオカズラ、アオツヅラ、フソナ、メクラブドウ、

漢防己、青藤

関西以南の本州、四国、九州、朝鮮に産す。落葉蔓本、潅木。根に大型の瘤あり。小枝は方形、葉は広卵形他種々。

花は六月、径4mmの淡黄緑色の小花。果は青黒、径8mm

略球形の核果で十月成熟巣。此の蔓で葛籠(ツヅラ)を編む。

神経痛に効く成分Sinomenを含む。

コウモリカズラ属
Menispermum

半木本の蔓性。全株無毛。葉は互生、心形大型、雌雄異株、花は腋生or頂生、不著明。果は核果、黒色。

ケナシコウモリカズラ
Menispermum
dauricum D.C.

コツラフジ、イヌツヅラ、コウモリツタ、カワホリヅタ

漢種
漢防己、

北海道・本州・四国・九州・朝鮮・満州・シベリアに産す。

<本草図譜>

山城国貴船山中、武州川越山中、信州にあり、葉は蝙蝠形にてまた王瓜カラスウリの如くにして黄緑色毛なし、夏月小黄花補下垂す。根は筆管の大きさにして黄色土中に引き別に塊を生す。

近似種 コウモリカズラ
var.
pilosum C.K.Schn.

<本草啓蒙>

今花戸に一種唐種防己と呼ぶ者あり、葉形オオツヅラフジに似て、薄く色浅し蒂も微しく葉中による。根は細く色黄にして色内に白瓤ありて車輻解をなさず、此草は諸州深山にもあり、勢州にてコモリズタと呼ぶ。

ハスノハカズラ属
Stepania

常緑or落葉の蔓性。葉は盾型、円脚、雌雄異株、花は腋生、不著明。果は核果、黒色。

ハスノハカズラStepania
japonica Miers

ハスノハツヅラ、イヌカズラ、ベウズル、ガタマタ、ヤキモチカズラ、テンモクカズラ、カラスノマリヅル、ノムチュズル、チャガチュガカズラ、

千金藤、金錦弔鳥亀、

本州中南部・四国・九州に産す。インド・マレ-シア・中国に分布。

<本草図譜>

紀州熊野、豊後鶴崎、遠江、紀州等暖地産にして、寒を恐る。葉は円くして微に尖りあり、葉中に茎つきて荷葉また蒪菜の如く、大きさ掌の如く深緑色にして光沢あり、夏月葉間に小き淡緑色の花、毬を為して開く、根は拇の大きさにして皮は黒し、此れ薬用に堪えず。

近似種 タマザキツズラフジ
Stephania
cephalantha Hayata.

台湾高地、中国に分布。栽培困難。台湾人はこの根塊を蛇毒の解毒に効くとす。一時セファランチンの名で結核のほか、頭痛・胸痛・腰痛・膝痛etc何でも聞くという万能薬が流行したことがあった。

古文学

<枕草子(287)>

斉垣に蔦などのいと多くかかりて、もみぢの色も色々ありしも

(3-26)>

浅茅、あおつつら(青鞭草)木賊といふものは風に吹かれたらん音こそいかがならんと思いやられてをかしけれ

66>

山菅
日陰、山藍、浜木綿、葛、笹、青つづら、ナズナ、苗、浅茅、いとおかし

<古今和歌集>

山賤の垣ほにはへる青つづら人はくれども言づてもなし

<拾遺集>

野を見れば
春めきにけり 青つづら
籠にやくまし 若菜つむべく

<夫木和歌抄
28
10>

小倉山
松の下葉に あをつづら
道無き世こそ 人くるしけれ 藤原
為家

鞭草つづら14首

谷せばみ
うきふししげき 青つづら
いかに心を のばへかみん

藤原
家隆

柴の庵に這いおほほれる青つづら
むづかしげなる世にもふるかな

源俊頼

<源氏物語
初音
>

やさしき方
爾あらねど
えびかずらしてぞつくろひ給ふべき

<平家物語>

小原御幸
都の方の言づては、間違に言問ものとては、木伝不猿の声、賤が爪木の斧の音、これが音連れならでは、雅樹にかずら、青蔓、来るひと稀なる処なり。

<宇津保物語
49>

青つづら
大きてなる籠に組みて青葉なるをいう。

<徒然草>

草は山吹・・秋の草は、蔦・葛・朝顔

<俳諧>

出代や
春さめざめと
古葛篭

与謝
蕪村

古葛篭
黄金出るかと
春のユメ

水木真貫

用途

{蔓茎}アオツヅラフジの蔓はこれを編んで行李・衣装箱・花籠・などをつくる。

〔薬用〕オオツヅラフジの茎・根を乾燥したものを、防己と称し、糖尿病・胃潰瘍・神経痛に処方する。日本薬局方に上載された。

防己について

漢方で防己と称するものに数種あり、

日本産木防己

ツヅラフジ科のアオツヅラフジCocculus
trilobus
の根茎を乾燥下もので、余り用途はない。

日本産漢防己

ツヅラフジ科のオオツヅラフジSiinomenium
acutum

中国産木防己

ツヅラフジ科のアオツヅラフジCocculus
trilobus

中国産粉防己

ツヅラフジ科のシマハスノカズラStephania
tetrandra
の根を乾燥下もので、瓜防己(偽漢防己)とも称せられる。

中国産漢中防己

ウマノスズクサ科のAristolochia
hetrophlla
の根

中国産広防己

ウマノスズクサ科のAristolochia
fanchi
の根を乾燥下もので、木防己と混同される。我が国では唐防己と云う。

ツヅラフジ科並びにウマノスズクサヅ科の植物にはアルカロイド系の成分が含有するから、注意して用応すべきこと、

アオツヅラフジには、第3級ビスコクラウリン型の
Trilobine,
Isotrilobine Homotrilobine, Normenisarine,
第4級アルカロイドの
Magnoforineを、また葉には殺虫効果のあるCocculoidine
が含まれている。

オオツヅラフジには,アルカロイドSinomenine(ca0,2%),
Disnomoninem, Isosinomenine, sinaactine, Tuduranimem Scuihmine,
Acutumidinem Magnoflorine
などが単離されている。ここで、Sinomenine
の構造式をみると、Morphineと対面構造にあることに注目され、その栗理作用の追及に期待される。

タマザキツヅラフジ
Stephania
cephalantha Hayata
は台湾産の稀種であるが、此の根からSephalantine
なるアルカイロイドが分離され、一時肺結核の特効薬として囃目されたことがある。肋間神経痛、腰膝神経痛にも効果ありとされた。

MenipermaceaeAlkaloid

Coclaurine

C17H19O3N

Coculus
laurilius
 

コウシュウウヤク

Palmatine

C21H23O5N

Jaterhiza
palmate

Cyclanoline

C20H42O4N*

Stephnica
Mirs

Steponine

C20H24O4N*

Phanostenine

C19H19O4N

Stephnica
sasaki

Stephanine

C19H19O3N

Stephania
japonica

ハスニハカズラ

Menisperine

C21H26O4N

Menispermum
dauricum

Dauricine

C38H44O6N2

Merinpermum
dauricum

Berbamine

C37H40O6N2

Stephania
cepharantha

シマノハカズラ

Epistephanine

C37H38O6N2

Stephania
Japonica

Cepharanthine

C36H38O6N2

Stephania
cepharanthe

タマサキツズラフジ

Isocondodendrine

C36H38O6N2

Cyclea
insularis

ミヤコツズラフジ

Trilobine

C36H36O5N2

Coculus
trilobus

アオツヅラフジ

Isotrilobine

C36H36O5N2

C.sarmentosus

Sinomenine

C29H23O3N4

Sinomenium
diasifolius

Coclnrine

Sinomenin

Stephanine

Cepharanthine


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