
Da-04. らに(らん)
蘭・蘭・ラン[シュンラン]
漢語: 蘭花
[万葉集記載事項]
05-0815 |
17-3965 |
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2件何れも歌でなく序の部に、別に19-4268 沢蘭さわあららぎ 一首 |
(一) 05-0815 |
梅花の歌三十二首并せて序 天平二年正月の十三日に、帥老の宅に萃まりて、宴会を申ぶ。 |
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于時 初春令月気淑風和 梅披鏡前之粉 蘭薫ニ珮後之香一 |
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時に、初春の令月れいげつにして、気淑よく風和やわらぐ、梅は鏡前けいぜんの粉ふんを披ひらく、蘭は珮後はいごの香こうを薫くゆらず。 |
注釈:
05-0815~0846の歌は、歌宴での詠歌を録したものであるが、当時を伝えるものとして興味がある。前半15首は上席、後半17首は下席で各々8人づつが向い合って座って饗したらしい。この序は主人の大伴旅人は正三位であったが9番目である。
令月=物事を行うに縁起のよい月、古代は旧暦2月を左様に言った。
粉=おしろいのこと、<鏡前の粉を拓く=佳人が鏡の前で化粧しようとしている>。
珮後の香=珮は曲玉のことで、<貴人が装飾具を着けた薫りのように>、又、中国では蘭草を衣服に帯(佩)びた。
(二) 17-3967 |
沽洗こせんの二日、掾大伴池主 |
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忽辱芳音翰苑凌雲 兼垂倭詩詞林舒錦 以吟以詠能蠲戀緒春可樂 暮春風景最可怜 紅桃灼々戯蝶廻花儛 翠柳依々嬌鴬隠葉歌 可樂哉 淡交促席得意忘言 樂矣美矣 幽襟足賞哉豈慮乎蘭蕙隔藂琴罇無用 空過令節物色軽人乎 |
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たちまちに 芳音ほういんを辱かたじけなみし、翰苑かんえん雲を凌しの ぐ。…淡交たんこうに蓆むしろを促ちかづけ、意を得て言をを忘る。楽きかも美うるわしきかも。幽襟ゆうきん賞めづるに足れり。あに慮はかりけめや、蘭蕙らんけい薮くさむらを 隔へだて、琴罇きんそん用ゐるところなく、空むな しく令節を過ぐして、物色ぶっしょく人を軽みせむとは |
注釈:
芳音=有り難いお便り。翰苑=文章。
淡交~=淡々たる君子の交際は席に近づくだけで、互いの心がわかる。
幽襟=奥深い心。
蘭と蕙けい(桂)=蘭と桂との関係の様に、香りの高い植物は近く相接して生えないことから、二人の君子は別の所に住むべきこと。
この序は[新 3995] 三月四日大伴宿禰池主が「七言、晩春三日遊覧一首并せて序 にも同種歌がある。
上巳の名辰は、暮春の麗景なり。桃花は瞼を照らして紅を分ち、柳色は苔を含みて緑を競う。時に、手を携はり江河の畔を曠かに望み、酒を訪ひ野客の家に遠く過ぎる。すでにして、琴罇性を得、蘭蕙光を和げたり。ああ、ああ、今日恨むるところは、徳星すでに少なきことか。もし、寂を拍ち章を含ますは、何をもちてか逍遥の趣を撼べむ。たちまちに短筆に課せて、いささかに四韻を勤すと云爾。
余春の媚日は怜賞するに宜く 上巳の風光は覧遊するに足る。
柳陌は江に臨みて玄服を褥にし 桃源は海に通ひて仙舟を泛ぶ
雲罍桂を酌みて三清を湛へ 羽爵人を催して九曲を流る
縦酔陶心彼我を忘れ 酩酊し処として淹流せずといふこと無し
[概説]
上記(一)(二)で詠んでいる蘭蕙は具体的な植物というより、歌調を整えるため、祝寿の飾詞の趣意が強い。これは中華国思想から齎されたものであり、例えば、竜虎や麒麟のような仮空の生物を夢想することかうまい。中華国の国が広大であったから、周辺諸国より各方面の情報が入って、実物を見ないで想像で描くことが多かった。日本に齎せた漢文化は五山の僧侶、宮廷の識学者に強い影響を与え、史実を知らなくとも、熟識している振りして画文を扱っかったのである。蘭はベトナム・タイ・ビルマなど南方に派手な種類がある外、中国にもカンラン・シュンランの類が実在し、丁重な扱いを受ける。故に、画題で<三香=梅・水仙・蘭>、<四君子=菊・蘭・梅・竹>をいうが如く高貴な花の一つとしている。それで、宴会の席などでお世辞なりに蘭を入れ混んだ美句を披露して会を盛り立てることは儀礼ともなっている。古典植物分野ではこの花や葉の突然変種品を殊の外珍重し、格別な高価で取引され、その蘭を知人に贈ることは、親愛と尊敬の意を表敬するものとされている。
現今、鑑賞用のランは戦後最大のブームを作り、インドネシフ・パプア・アマゾン・キニア・ヒマラヤなど世界の秘境を探査して新種を集め、近代農法を以て育生し、改良されたものが世界的市場に流れている。しかし、古代の中華国での東洋蘭の分野はそんなに広くなく、ここでランをシュンランの様な一茎一花の蘭と、カンラン・スルガランの様な一茎多花の蘭に分け、始段階では前者を蘭、後者を蕙という呼称が採られていた。この説明は北宋の黄庭堅に底を発するもので、説明が容易であるけれども、植物学での何ら基準も無いものである。そして後段階になって、一茎九花の蘭を特別扱にし、蕙なる名称を与えたのであった。
蕙について、注釈の桂のように薫り高いものと考えてもよいが、明の本草学者 李時珍1590年代 は
李時珍 曰、近世謂蘭花、非ニ古之蘭草ー…黄山谷所謂、一幹一花為レ蘭、一幹数花為レ蕙者、蓋因レ不レ識ニ蘭草蕙草ー、遂以ニ蘭花ー強生ニ分別ー也、今人所レ種如ニ麦門冬ー者、名ニ幽蘭ー非ニ真蘭ー、也、故陳止斎著ニ盗蘭説ー以言幾レ之、世俗至今猶以レ非レ蘭為レ蘭、何其惑之難レ解也、嗚呼観ニ諸儒之明折ー而醫家用ニ蘭草ー者、当不ニ復疑ー矣。
同様の説明
群芳譜 曰、 按蘭花蕙花一類二種、黄色庭堅之説最明、然皆非ニ古之所謂蘭草蕙草ー也、蘭草今之都梁香、蕙草今之零陵香、唐宋本草載卜之、甚詳、朱子楚辭證可少為二確據ー云々。
蘭花は花型も優雅である外、香が気品に満ちていることに注目し、春蘭の特に芳香高いのを 朶々香 と呼んだ。また、宗時代以前にあっては、香りのよい植物をラン科 Orchidaceae と限らずに蘭蕙と称していたようである。而して蘭蕙のうち、蘭草を 都梁香 と言い、これはフジバカマ Eupatorium fortunei であり、この浸湯で沐浴し、油に漬けた香油を頭髪に塗り、この根茎の干したものを身体に帯 (佩) びていたので佩香ともいう。次に、蕙はこの乾燥した茎葉を粉にして火に燻べ、祭祀の邪気祓呪の目的に用いられ、霊降香と呼んだ。蕙の原植物は2種類ある様で、一つは (a)シソ科 Labiatae のカミメボウキ (神眼箒) Ocimum sanctum [漢名:薫草・蕙草 古名:聖羅紡・霊陵香]、もう一つは (b)サクラソウ科 Primuraceae のレイコウソウ Lysimachia foenum [漢名:薫草・薫草・蕙草 草 古名:広霊陵香・霊香草]で、何れも南方系の植物である為、日本には生育していない。
(a) の近縁でよく知られたのにメボウキ目箒 Ocimium basilicum (漢名:羅勒ラロク) がある。これはハープで汎用のバジリコ sweet basil である。日本品ではヤマハッカ属のヒキオコシ Rabdosia japonica が似ており、これは葉茎に精油と苦味成分 prelactorantine を含む。ヒキオコシは弘法大師が途に倒れた病人を引き起して治したという曰くつきの薬草で一名延命草という。
(b) オカトラノオ属で日本の暖地に自生するモロコシソウ (ヤマクネンボ) Lysimachia sikokianan が似ている。干かすと、レモンの様な香りを発する。
中華国の宋代より暫時、蘭の解釈はフジバカマ、蕙はレイコウソウが相当するのであり、万葉集表題の蘭蕙の意味がこれに当たるとしている。が、時代が下って明・清の時代に至ると、華麗なラン科の蘭が登場し、蘭の解釈は益々輻湊するに至る。
<北宋 蘇轍[答琳長老寄幽蘭]> |
谷深不見蘭生処 追逐微風遇得之 |
<南宋 揚万里[詠蘭]> |
健碧績繽葉 斑紅浅々芳 幽香空自秘 風肯秘幽香 |
<元 倪瓉 [題鄭所南蘭]> |
秋風蘭蕙化為茅 南国凄涼気已消 |
<明 余同麗 [詠蘭]> |
手培蘭蕙両三栽 日暖風和次第開 |
蘭に関し、中国で数種の植物を混迷して、同じように蘭と言っている故注意を払って読まなければならない。
<本草経> |
蘭草 味辛平、主ニ利道ー、殺ニ蟲毒ー、辟ニ不祥ー、久服益レ氣、軽レ身不レ老、通ニ神明ー、一名水香。 |
<別禄曰> |
無毒、除ニ胃中痰癖ー、四月五月採 |
<唐本注> |
此是蘭澤香草也、八月花白、人間多種レ之以飾ニ庭池ー、渓水潤傍往々亦有、陶云、不レ識、又言ニ煎沢草ー、名ニ蘭香ー、或称李云、都梁香近レ之、終非ニ的識ー也。 |
<開寶本草> |
葉似ニ馬蘭ー、故名ニ蘭草ー、俗呼為ニ燕尾香ー、時人皆煮レ以浴癒レ風、故又名ニ香水蘭ー、 |
<蜀本圖経> |
葉似ニ沢蘭ー、尖長有レ岐、花紅白色而香、生ニ下湿地ー。 |
<陳臓器云> |
蘭草与沢蘭二物同名、陶公竟不レ能レ知、蘇亦強有ニ分別ー、蘭草本功外、主ニ悪気ー、香沢可ニ作レ膏塗レ髪、生ニ沢畦ー葉光潤除小紫、 |
中華国で蘭というと ① キク科の蘭草 (フジバカマ) また沢蘭 (サワヒヨドリ) で、香草として身に帯びたり、香湯として入浴したりした。 ② 木蓮 (シモクレン・ハクモクレン) は花や樹皮に芳香がある。 ③ ラン科の全般ランであって、前2者と差別して蘭花とするが、種によってであるが、やはり香りがある。これが日本に渡り来て、アララギと呼ぶことにより、更に複雑化した。アララギにも ④ 疎々葱 (ノビル) と、 ⑤ イチイ科のイチイ・オンコの両方がある。ノビルを指す蘭蒚草ランレキソウから、ランの紛名がついたのかも知れない。
<本草和名 下4> |
蘭蒚草、阿良良岐 |
<和名抄 16 > |
蘭蒚、阿良良岐 |
日本の古文で、同じく万葉集19-4268に沢蘭が出てくる。
また、日本書記に允恭記の逸話が書かれているので、引用すると、
初皇后随レ母在レ家、独遊ニ苑中ー。時闘鶏国造、従ニ傍径ー行之。乗レ馬而苡レ籬、謂ニ皇后ー、嘲之曰、能作レ蘭乎、汝者也。汝、此云ニ那鼻苔ー也。且曰ニ圧乞、戸母、其蘭一茎。圧乞、此云ニ異提ー。戸母、此云ニ覗自ー。皇后則採ニ一根蘭、与ニ於乗レ馬ー。因以、問曰、何用求レ蘭耶。乗レ馬者対曰ー、行レ山撥レ蠛也。蠛、此云ニ摩愚那岐ー。時皇后結ニ之於意裏、乗レ馬者辞无礼、云々
ここでの蘭は[坂本 家永 井上 大野 日本書記 岩波書店 1994]脚注によれば、ノビルと解説してある。確かに蚋蚊を追い払うには臭いの強い草が有効かも知れないが、ノビルは野生品で土中深く根張り簡単に一根を採れるものでない。輯者はこれをニラとした方が実に会っていると思う。前掲理由によりフジバカマを候補とする<古典草木雑考(1935)>があるが、旧二月に藤袴は未だ生えない。
日本の古文書に蘭と書かれたものは、鎌倉時代以前はフジバカマとみてよいが、それ以後殊に江戸時代にいたっては東洋蘭の蘭花に移る。フジバカマは、医薬に用いられたもので、各地から蘭アララギが奉納されたことが書かれている。この他、樹木で、一位イチイ、柊ヒイラギ、木豌豆キササゲを左様呼ぶ例もある。
<新撰字鏡(天治本)> |
係◆ 安良々木 |
<医心方> |
蘭草 和名 布知波加末。沢蘭 和名 佐波阿良々岐 一名阿加末久佐 |
<延喜式 第33巻> |
大膳下 七寺盂蘭盆供養料 蘭各二把 二王経斎会供養料 干蘭一把 |
蘭はアララギとも訓じ、カトレアの如き幻幽的花を慮ってか、明治・大正期に華族の婦人令嬢間であららぎ会が結成され、後の短歌のアララギ派が生まれる。然るに<古今要覧稿>に、アララギの語源は粗々岐(荒々葱)とし、蘭葱であって藤袴は誤り也といっている。
ラン科の植物は、極めて多様の生育様式をもつもので、この科に未知の事か多いのであるが、概して美麗な花をつける故に園芸栽培により改良されたものも多い。東洋蘭のものは、一株数十万円もする高価なものもあった。しかし、最近はバイオの技術で以て、割合安易に新種が増産できるので庶民でも身近なものになってきた。洋蘭も同様であり、加えて未開発の南米ギニア高原とニューギニア山地に新種が発見される可能性がある。
日本での身近の野生蘭は、シュンラン、エビネラン、キンラン、アッモリソウ、サイハイラン、シラン、フウラン、セッコク、など、何れもラン科x11の花は優雅に気品のある花を咲かせる。本書でフジバカマに関しては[Dc-4]に別纏が或る故に、この項では、これは上述の万葉集の歌に相応するものでないけれども、尤も普遍的なものとして、 シュンラン を取り上げることにする。[S→Da さわあららぎ、Da-6 けい、 Dc-4 ふじばかま、Cc-4 のびる]
[植物]
シュンラン Cymbidium goeringii Reichbach
ホクロ・ジジババ らん科
北海道~九州・中国に分布し、山野のやや明るい落葉樹の林に自生する常緑多年草。束生する葉は粗い脈が並び、幅6〜10mm,長さ20~30cmの細帯状で鋭頭、濃緑色、基部は鞘となる。花は3~4月、10~25cmの漿質の花茎を擡げて頂部に1個の帯緑色胡蝶型の花を付ける。普通、花径は4~6cmの三翼で、苞は鞘がなく披針形、長さ3~4cm鋭頭。萼片はやや肉質で倒披針形、長さ3~3.5cm巾7~10mm、鈍頭、側花弁は萼片と同型でやや短い.唇弁(棒芯)は萼片より少し短く、白色に濃赤色の斑点があり、先は舌状となり外曲し、中央付近似は小さな側裂片となり、また中央内面に細突起を密生している。蘂柱は長さ15mm、先端に白色の葯があり、黄色の花粉塊を入れている。受粉すると、長さ5cmにもなる長い楕円形の蒴果を直立してつけ、種は微細である。種は土に散布されると蘭菌の一種の存在により、種皮が穿孔されて初めて発芽するという。シュンランは地方により、変種が出やすく。其のうち鑑賞価値の高いものは高価に取引される。
[補説]
1. 単子葉類で最も進化した植物と言われている。
2. 葉は線形で縁はギザギザ[カンランは平滑]
3. 茎が膨れて、球状の偽茎を作り、仮軸分枝する。
4. 花被は3枚の大型の3萼と3枚の弁からなる。弁の内、下の大型のものは唇弁と呼ばれ、特殊の形をして美しい。子房は 180゚ 捩れている、逆にいえば唇弁が反対の位置になったのである。
5. 花弁の様に見られる、上向きに大きいもの(主弁)、横に張り出した左右の2枚(副弁)は萼である。花弁の下方のものは大きく、これを唇弁という。
6. オシヘは退化して、花粉だけが塊となって{花粉塊}蘂柱の先につく。受粉するときは、この花粉塊をビンセットで採り、メシベ柱頭に接触させる。
7. ランの花は一般に開花期は長いのであるが、受粉すると速やかに花冠を落とす。
8. 結実は自然状態では稀である。一般にラン科の種子は極めて小さい。例えばミヤマウズラは 2μg,テガタチドリ 8μg, これを蒔いても、或る種のラン菌の存在で初めて発芽する。人工的にき無機アルカリで腐食させる。
9. フラスコ内で無菌状態で発芽させるが、シュンランは発芽前段階のリゾームが発芽するまで十数年もかかるものもあり、培養は難しいものとなっている。
[周辺]
シュンラン・シランの属するラン科 Orchidaceae の植物は、殆どの全世界に分布し、北端はロシアのレナ川 (北緯72゚) 南端はホーン岬 (南緯58゚) に至り、730属17,000種 (南米などの未開発地地域を推定し800属35,000種とも) もあるといわれる。日本には約75属約230種確認されている。ラン科は植物で最も進化した部類にあり、分化が多岐に及び、普通植物と比べると著しく変わった生態をとるものもある。
[名前]
ラン は中華国から入った言葉で、沢山のものを並べて観ることを云う。例えば、展覧会、欄干、欄間などの語源と共通する。中華国では蘭を高貴な名花としたので、色々な名前がついている。 土続断、王者香、王整花、孔子花芳花、香祖、幽谷客、幽草、義香、媚世、剣葉剣、謝階蘭、建蘭、馨列侯 など。 春蘭を別名;千金草、方言ホクロは、唇弁に斑点がありこれを黒子ホクロに見立てて、またジジババと言うのは花形を腰の曲がった翁 媼に見る、スミレも同様にいう地方もあって花形に出尻がありここを引っかけて子供が遊ぶことからスモウトリ、ヤマデラボーズと子供言葉。学名のorchideaeはギリシャ語の睾丸orchisのことで、ランの球根が去年と今年の分が2個並んで付き、それが睾丸に見えるから、 これが英語のオーキッドと受け継いでいる。
[英語]
orchid
[ドイツ語]
Orchidee(f,n)
[古典]
蘭は高貴な花のイメージありとて、中国では女性の名前に入れる。その影響で日本でもやんどころなき家系の紋所に蘭を使ったものがある。日本の文献で最初に蘭の文字が載るのは日本書紀であり、聖武天皇のとき唐から中国蘭の献上の記録がある。野生の蘭についても、源氏物語に取扱われている。鎌倉・室町時代に仏僧がホウサイランやソシンランを中国から持参し、寺院や館で栽培したこと和漢朗詠集に読まれている。江戸時代に入ると諸花木草の改良が進むのであるが、蘭に関しては難しいかったのか文献の記録は少ない。<水野元勝 花壇綱目(1716)>。立花の 採用も比較的遅く< 尋旧子 「立花正道集(1684)>が最古である。えど時代後半には<陳愚渓蘭譜><四君伝》<蘭斎画譜> など出版された。文政年間の《草木錦葉集(1829)》には駿河蘭、春蘭の覆輪、縞柄が図入りで説明されている。明治維新の動乱期にも執心家は温存していて、世相が落着くと皇族・華族間で東洋蘭が大流行し、これが大衆にまで広がり投機にまで発展する。
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<源氏物語(藤袴)> |
かかるついでに」とや、おもひよりけむ、蘭の花の、いとおもしろさを、持給へりけるを、… |
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<俳諧歳時記栞草 春> |
寇宗喪そうせき[本草衍義]曰、葉、麦門冬の如くして闊し、且靭なり。長さ一二尺、四時常に青し。花、黄緑色、中間辨上に紫の点あり。春芳しき者を春蘭とす、色深し。秋芳しき者を秋蘭とす、色淡し。開 く時、満室悉く香し。他花と又別也。◎山谷[予章黄先生文集]]曰、一幹一花にして香余りあるものを蘭とす。一幹数花にして香足らざるを蕙とす。 |
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<俳諧歳時記栞草 夏> |
◎<大戴礼> 五日畜レ蘭為ニ沐浴一 ◎<楚詞> 浴ニ蘭湯ー兮沐ニ芳草一子浴。 |
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<大和本草> |
是世俗に花を玩賞する蘭也、真蘭にあらず。今の蘭は本草にこれを出さず。蘭草集解正誤に載す。 |
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<歳衰記17> |
白及 福原京事「旧域ハ只荒レ行テ…雉兎ノ栖カト成替…紅蘭 紫蘭ノ野辺トゾ紛レケレ… |
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藤袴 |
<源氏物語 藤袴> |
おもよりれむ、蘭ラニの花の、いとおもしろきを、持ち給うへりけるを |
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<和漢朗詠集 275> |
やどりせし人の形見が蘭ふじばかまわすれがたきかに匂ひつつ |
貫之 |
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272> |
蘭波句遠覚吹秋水 雨染高和動暮雲 |
<俳諧> |
蘭の香や 蝶の翅つばさに たき物す |
松尾 芭蕉 |
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香をのこす 蘭帳蘭の にほひ哉り |
松尾 芭蕉 |
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蘭の香や 菊より暗き ほとりより |
与謝 蕪村 |
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蘭夕 狐のくれし 奇楠きゃらを火圭たかむ |
与謝 蕪村 |
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蘭の香や 異国のやうな 三日の月 |
小林 一茶 |
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山に蘭 渓に石得て 戻りけり |
青木 月斗 |
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蘭の香や かけかへて見る 床の軸 |
永井 荷風 |
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濡れる弁 誘惑の蘭 われ迷う |
水木 真貫 |
[用途]
[観賞用]
鉢植、洋蘭、東洋蘭、
[食用]
料理:花茎ともに摘み、サラダなどの彩りに、少量の酢を入れた熱湯にくぐらせ酢の物や椀種、薄い衣をつけテンプラに、
蘭茶:花を塩漬けにしたものを湯に注ぐ。日本では古来から目出度い時のお茶として出す。
蘭酒:花をリカーと氷砂糖を入れて、寝かしてつくる。
[薬用]
民間薬:根を乾燥して粉末にし、油と練り併せてヒビ・アカギレの薬に、
[分類]
日本に在生するラン
ヤクシマラン亜科 Apostasoideae |
ヤクシマラン属 Apostasia [代表種] |
ヤクシマラン |
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アツモリソウ亜科 Cypripedioidaceae |
アツモリソウ属 Cypripedium |
アツモリソウ、クマガイソウ、キバナノアツモリソウ |
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ラン亜科 Orchidoideae |
チドリソウ連 Trib.OrchIdeae |
ミズトンボ属 Habenaria |
サギソウ、ダイサギソウ、ミズトンボ、ムムカゴトンボ、イヨトンポ、サワトンボ |
トンボソウ属 Tulotis |
トンボソウ、ヒロハトンボソウ |
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アオチドリ属 Coeloglossum |
アオチドリ、 |
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ムカゴソウ属 Herminium |
ムカゴソウ、クシロチドリ、 |
||
ツレサギソウ属 Platanthera |
タカネトンボ、ツレサギソウ、ミズチドリ、ジンバイソウ、ミヤマチドリ、シロウマチドリ |
||
ミスズラン属 Androcorys |
ミスズラン、 |
||
ハクサンチドリ属 Orchis
|
カモメラン、オノエラン、ニョホウチドリ、ウチョウラン、ヒナチドリ、ハクサンチドリ |
||
ヒナラン属 Amitostigma |
イワチドリ、オキナワチドリ、コニアチドリ、ヒナラン |
||
テガタチドリ属 Gymanadenia |
テガタチドリ、フジチドリ、ノビネチドリ、ミヤマミジズリ |
||
サカネラン連 Trib.Neottieae |
ニラバラン属 Microtia |
ニラバラン、 |
|
ムカゴサイシン属 Nervilia |
ムカゴサイシン、 |
||
トラキチラン属 Epipogium |
トラキチラン、アオキラン、タシロラン |
||
イリオモテムヨウラン属 Stereosandra |
イリオモテムヨウラン、 |
||
コオロギラン属 Stigmatodactylus |
コオロギラン |
||
オニノヤガラ属 Gastrodia |
オニノヤガラ、ナヨテンマ、ヤツシロラン、 |
||
ヒメヤツシロラン属 Didymoplexis |
ヒメヤツシロラン |
||
トキソウ属 Pogonia |
トキソウ、ヤマトキソウ |
||
ムヨウラン属 Lecanorchis |
ムヨウラン、クロムヨウラン、ムラサキムヨウラン、ウスギヌムヨウラン、キイムヨウラン |
||
ツチアケビ属 Galeola |
ツチアケビ、タカツロラン、 |
||
タネガシマムヨウラン属 Aphylloris |
タネガシマムヨウラン |
||
キンラン属 Cephalanthera |
キンラン、ギンラン、ササバギンラン、 |
||
カキラン属 Epipactis |
カキラン、エゾスズラン、 |
||
フタバラン属 Listera |
フタバラン、アオフタバナン、タカネフタバラン、ヒメフタバラン |
||
サカネラン属 Neottia |
サカネラン、 |
||
バイケイラン属 Corymborkis |
バイケイラン、チクゼツラン |
||
ネッタイラン属 Tropidia |
アコウネッタイラン、ユクシマネッタイラン |
||
ヒメノヤガラ属 Hectaeria |
ヒメノヤガラ、カゲロウラン、 |
||
シュスラン属 Goodyera |
シュスラン、シマシュスラン、ベニシュスラン、キンギンソウ、ミヤマウヅラ、 |
||
イナバラン属 Odontochilus |
イナバラン、ハツシマラン、 |
||
ハクウンラン属 Vexillabium |
ハクウンラン、オオハクウンラン、 |
||
アリドウシラン属 Myrmechis |
アリドオシラン、ツクツアオドオシラン、 |
||
カイロラン属 Cheirostylis |
カイロラン、ヨシヒサラン、 |
||
キヌラン属 Zeuxine |
キヌラン、ヤンバルキヌラン、イシガキキヌラン、 |
||
ネジバナ属 Spiranthes |
ネジバナ、 |
||
ホテイラン属 Calypso |
ホテイラン、 |
||
ラン連 Trib,Epidendreae |
ショウキラン属 Yoania |
ショウキラン、キバナノショウキラン、 |
|
ヒトツボクロ属 Tipularia |
ヒトツボホクロ |
||
シラン属 Bletilla |
シラン、 |
||
クモキリソウ属 Liparis |
クモキリソウ、コクラン、ユウコクラン、チケイラン、スズムシソウ、ササバラン、 |
||
サワラン属 Eleorchis |
サワラン |
||
ヤチラン属 Malaxis |
ホザキイチョウラン、ヤチラン、 |
||
コイチョウラン属 Ephippianthus |
コイチョウラン、ハコネラン、 |
||
ヨウラクラン属 Oberonia |
ヨウラクラン、オオバヨウラクラン |
||
カンゼキラン属 Phaius |
ガンセキラン、カクチョウラン、ヒメカクラン |
||
エンレイショウキラン属 Acanthophippium |
エンレイショウキラン |
||
エビネ属 Calanthe |
エビネ、キエビネ、キリシマエビネ、ダルマエビネ、サルメンエビネ、キソエビネ、オナガエビネ、ツルラン、トクサラン |
||
ヒメトケンラン属 Tainia |
ヒメトケンラン |
||
ヒメクリソラン属 Hancockia |
ヒメクリソラン |
||
イモネヤガラ属 Eulophia |
イモネヤガラ |
||
サイハイラン属 Cremastra |
サイハイラン、トケンラン |
||
コハクラン属 Kitigorghis |
コハクラン、 |
||
コケイラン属 Oreorchis |
コケイラン |
||
イチョウラン属 Dactylostalix |
イチョウラン |
||
シュンラン属 Cymbidium |
シュンラン、コラン、カンラン、ヘツカラン、ナギラン、マヤラン、サガミラン、 |
||
オサラン属 Eria |
オサラン、オオオサラン |
||
セッコク属 Dendrobium |
セッコク、キバナノセッコク |
||
マメヅタラン属 Bulbophyllum |
マメヅタラン、ムギラン、シコウラン |
||
ボウラン属 Luisia |
ボウラン、 |
||
クモラン属 Taeniophyllum |
クモラン、 |
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フウラン属 Neofinetia |
フウラン |
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カヤラン属 Sarcochilus |
カヤラン |
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ムカデラン属 Sarcanthus |
ムカデラン |
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マツラン属 Saccolabium |
カシノキラン、マツカゲラン、マツラン、 |
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ナゴラン属 Sadirea |
ナゴラン |
分類の研究者 R.Schechter(1875~1925), R.l.Dresler(1927~), C.H.Dodsen(1928~), R.H,T.Dahlgren
[用語]
蘭若:梵語 araṇya 閑寂な所・寺院
蘭麝:蘭と麝香とを併せたよい香りのする香料
蘭省ランショウ:①中国の役所の名前(尚書省)、②皇后の宮殿
蘭奢侍ランシャタイ:奈良時代に唐から渡来した名香 [生倉院に所蔵] 《御湯殿上日記 亭禄元年》この御所に久しく置かれたる蘭奢侍
[東洋蘭]
名称 |
学名 |
開花期 |
産地 |
注記 |
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地生ラン |
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シュンラン |
春蘭 |
Cymbidium goeringii Reichbach |
春 |
日本・朝鮮・中国 |
変種多い。 |
シナシュンラン |
支那春蘭 |
C.forrestti Rolfe |
春 |
中国–雲南 |
中国春蘭 |
ココンラン |
古金蘭 |
C.allo-marginatum Makino |
夏~秋 |
中国 |
古今蘭 |
スルガラン |
駿河蘭 |
C.ensifollium L.form Flaccidior Makino |
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沖縄・中国 |
建蘭、雄蘭、地蘭 |
イッケイキュウカ |
一茎九花 |
C.faberi Rolfe |
初夏 |
中国・台湾 |
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エビネ |
海老根 |
Calanthe discolor Lindl. |
春 |
本州・伊豆諸島・韓国 |
この種にキエビネ、キリシマエビネ |
ウチョウラン |
羽蝶蘭 |
Ponerchis graminifolia Reich.fil. |
春~夏 |
本州・四国・九州・韓国 |
コウズエビネ、ニオイエビネ、ヒゴエビネ、タカネエビネ 等 |
カンラン |
寒蘭 |
C.kanran Makino |
秋~冬 |
紀伊・九州・台湾 |
変種にアワチドリ、別種にイワチドリ |
コラン |
小蘭 |
C.koran Makino |
夏~秋 |
九州・沖縄・台湾 |
大寒蘭・紫寒蘭・更紗 |
ナギラン |
竹柏蘭 |
C.lancifotium Hook |
初夏 |
日本・中国・東南アジア |
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カンノンソシン |
観音素心 |
C.miserisepaium Hay |
秋 |
台湾 |
別に、赤芽素心・長葉素心・鉄骨素心 |
ギョクチンラン |
玉沈蘭 |
C.gyokuchin Makino |
秋 |
台湾 中国 |
魚沈蘭 |
ピアナンヤン |
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C.gracillimum Fukuyama |
春 |
台湾 |
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ホウサイラン |
報歳蘭 |
C.sinenese Willd |
早春 |
台湾 |
変種:大名蘭、白花報歳 |
ヤクシマホウサイ |
屋久島蘭 |
C.yakushimense Masamuned |
春 |
沖縄・九州 |
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ヤキバラン |
焼場蘭 |
C.yakibaran Makino |
春 |
沖縄・中国・雲南 |
焼刃蘭 |
着生ラン |
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ナゴラン |
名護蘭 |
A.japonica Reieb.fil. |
初夏 |
九州・小笠原諸島 |
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セッコク |
石斛 |
Dendrobium moniliforme (L.)Sw. |
不定 |
本州・南西諸島・ヒマラヤ |
各色の花。および諸形態 |
ヘッカラン |
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C.dayanum Reiehbach |
秋 |
南九州・沖縄・台湾 |
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キンリョウヘン |
金稜辺 |
C.pumilium Rolfe |
初夏 |
中国南部 |
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フウラン |
風蘭 |
Neofinetia faldzta Thunb.(Hu) |
初夏 |
四国・九州・済州島 |
富貴蘭ともいう。アマミフウラン |
ホウラン |
鳳蘭 |
C.simonsianum King |
冬~春 |
東アジア |
=C.actum Ridi |
菌根ラン |
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サガミランモドキ |
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C.aberrans(finet) Sechitr |
初夏 |
本州 |
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マヤラン |
摩耶蘭 |
C.nipponicum(Fr,et Sav.) Makino |
夏 |
本州・四国 |
=C.pedicellatum Fin |
自然交配蘭 |
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ハルカンラン |
春寒蘭 |
C.nishiuchianum Makino |
春 |
紀伊・九州 |
=C.garingt×C.kanran |
[洋蘭]
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分類 |
原種の種または属 |
原種の生育地 |
園芸種 |
Ⅰ |
カトレア類 cattleya alliance |
Catteya (65) Brassavolla (15) Laelia (75) Sophronitis (6) Broughtonia (1) Epidendrum(1000) Rhyncholaelia (2) Diacrium (6) Schomburgkia (3) Laeliopsis (2) |
中米から南米にかけて、北緯20゚~南緯40゚,西経45~105゚ |
属内ならび属間交配によって約45種の新属が生まれた。 花形の大型化、逆に小型多花性へのアプローチ、意外な配色の組合わせ ①紫紅色系 ②白色系 ③セミアルパ系 ④黄色系 緋赤色、緑色、橙色、茶色、雑色 |
Ⅱ |
シンビジウム Cymbidium |
Cymbidium (94) |
インド北部・ビルマ・タイ・ベトナム・雲南・広東・福建 Asiatic Cymbidium belt |
大型種 白花 黄色 中型種 桃色 緑色 小型種 褐色 |
Ⅲ |
デンドロビウム Dendrobium Swartz |
この属は約900種 4亜属41節に分類
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①ノビル系 ②ファノプシス系 ③フォルモーサム系 |
Trib.Callista(3) |
ビルマ・中国南部・ヒマラヤ |
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Trib.Eugenanthe(5) |
ヒマラヤ・中国南部・台湾 |
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Trib.Nigrohirstae(2) |
ヒマラヤ・ビルマ・ |
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Trib.Phalaenanthe(3) |
モルッカ・チモール・ニューギニア・オーストリア |
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Ⅳ |
パフィオペディルム Paphiopedium Pfit z (lady’sslipper) |
この属は52種 知られている。主な種 |
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11月~2月咲 Cappamagma, Fantasia, Leeanum GS., Tsuya Ikeda, Phips,Shimon Tokyo 1~3月咲 Clair de Lune,Ohyamazaki, Lord Wolmer Plutus 3~6月咲 Maudiae Madnificum, Hassalli St.Mary 7~11月 Alma Gavaet,RobinHood |
A) purpurantum,callosum pheilianum,hyrticinum spserianum tonaum glaucophyllum |
タイ・カンボジア ヒマラヤ アッサム スマトラ ジャバ |
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B) concaloer,nibium |
タイ |
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C) phillipinense,hynaldianu |
フィリッピン |
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Ⅴ |
ファレノブシス Phalaenopsis Blume moth orchid 胡蝶蘭 |
A) amabilis |
ニャーギニア・オーストラリア北部 |
花色 白花、ピンク、黄色、弁赤、ストライブ |
B) gigantea,amboinensis |
ボルネオ・マラッカ |
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C)aphrodite,lindenii luedemanniana,pulchra rosa,shillerana |
フィリッピン |
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D)sumatrana |
マレー,スマトラ,ジャワ,ボルネオ |
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E)mannii |
インド |
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Ⅵ |
バンダ anda Jones |
着生蘭 熱帯アジアに約40種 |
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帯状葉系 紅紫葉系 Diane Ogawa,lenavat など 青紫系 laurel Yap,Princess など 黄色系 Ellen Noa,Thananchalなど 棒状葉系(テレート系) Nellie Morley, Josephine va Brero など |
A) coerulea |
アッサム・ビルマ・タイの800~1700m |
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B) kimballiana |
中国雲南・タイ・ビルマの1,300m |
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C) teres |
タイ・ビルマ・ヒマラヤの山麓 |
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D) tricolor |
ジャワ・スマトラ |
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E) luzonica,sanderana |
フィリッピン(ルソン,ミンダナオ) |
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F) dearei |
ボルネオ |
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Ⅶ |
エピデンドラム Epidendrum L. |
本種は、ラン科のなかで最も大きく 1000種 |
|
Epidendrumとの属間雑種 8種類 |
A) ibaguense |
コロンビア、ペルー、 |
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B) mariae |
メキシコ |
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C) polybulbon |
中南米 |
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D) vitellinum |
メキシコ・グァテマラ |
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Ⅷ |
ミルトニア Miltonia Lindl, pansy orchid |
着生蘭 アンデス山脈の両側に約25種 |
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vexillaria×roezlii の交配種 赤紅色系 黄色系 spectabilis×regnellii交配種 |
A) flavescens |
ブラジル |
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B) regnellii |
ブラジル |
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C) roezlii |
コロンビア |
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D) spectabilis |
ブラジル |
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E) vexillaria |
コロンビア・エクアドル |
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F) warscewiezii |
ペルー・コスタリカ |
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Ⅸ |
オンシジウム 0ncidium Swartz dancing-lady orchid |
アメリカ大陸に約400種 |
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flexuosum×varicosum交配種 pulchellumを中心の改良種 |
A) cheirophorum |
ニューグラナタ |
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B) flexuosum |
ブラジルーパラグアイ |
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C) marshallianum |
ブラジル |
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D) ornithorhynchum |
中米 |
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E) pulchellum |
中米 |
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F) tigrinum |
メキシコ |
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G) varicosum |
ブラジル |
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Ⅹ |
カランセ Calanthe R.Br |
日本のエビネ エビネ、キエビネ、キリシマエビネ、アマミエビネ、ニオイエビネ、サルメンエビネ、ナツエビネ、ツルラン、オナガエビネ、熱帯産エビネ |
日本の各地 |
タカネ、ビゼン、ヒゴ、コオズ、サツマ、イシヅチ は自然交配種とかんがえられる。 |
A) vestila |
マレーシア、インドネシア、フイリッピン |
Prince Fushimi Ruby king |
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B) rosa |
ビルマ |
Bryan, Sedenii Harrishi |
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Ⅺ |
ソフロニティス Socalanthe Lindl. |
ブラジルとバラグアィに約7種 |
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これらの種は、最近注目されてきた新しい洋蘭で、ミニホカトレアの名前で将来の発展が期待されている。現在は、栽培に難点があり、多属間交配により、改質の研究がすすめられている。 |
A) cernua |
ブラジル |
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B) coccinea |
ブラジル |
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Ⅻ |
レリア Laelia Lindl, |
メキシコからブラジルにかけて約100種
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A) pumila |
ブラジル |
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B) purpurata |
ブラジル |
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C) flava |
ブラジル |
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D) cinnabarina |
ブラジル |
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E) tenebrosa |
ブラジル |
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XIII |
リカステ Lindl, Lycaste |
メキシコからブラジルにかけて約35種 |
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A) aromatica |
メマシコ・グァテマラ・ホンジュラス |
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B) cruenta |
メキシコ・コスタリカ・グァテマラ |
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C) deppei |
メキシコ・グァテマラ |
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D) skinneri |
中米 |
この項の参考文献
小田倉 正圀 著 |
主婦と生活社 (1979/10) |
|
日本シュンラン |
青山慶・木下菊次郎・澤完 著 |
誠文堂新光社 (1976年) |
長野正紘・三枝敏郎 著 |
文化出版局 (1978/03) |
|
鈴木吉五郎 著 |
誠文堂新光社 (1977/10) |
|
三浦 二郎 編さん |
日本テレビ放送網 (1983/01) |